プレス加工にはどんな製品がある?身近にある製品例を紹介
プレス加工は、実は私たちの身の回りにある製品にも用いられている技術ですが、あまりイメージが湧かないのではないでしょうか。
一体どんな製品がプレス加工によって作られているのでしょうか。
この記事ではプレス加工の技術的な特徴を踏まえ、身近な製品例をご紹介します。
プレス加工で作りやすい製品の特徴
製品そのものがすべてプレス加工だけで作られていることは多くありませんが、製品を組み上げるために必要なパーツがプレス加工で作られたプレス部品のことはよくあります。
プレス加工の特徴を知ることで、身近なプレス加工の製品を見つけることができます。
プレス加工で作りやすい製品には以下のような特徴があります。
・板材から加工できる
・規格があって形状の再現性が求められる
・生産効率を上げて量産する必要がある
プレス加工では金型を使用して、同じ形に板材を成形します。
例えばネジのように規格があり、まったく同じ形状で製造しなければならないものはプレス加工で作られていることが多くなっています。
部品を組み立てて製造する製品の場合にも、組み合わせる部分の形状がぴったり合わなければならないので、プレス加工を使用するのが一般的です。
板材から加工できる製品なら生産効率を上げられるため、大量生産されている部品にはプレス加工が用いられています。
身近なプレス加工の製品例
自動車
自動車には多数の部品がプレス加工で製造されています。
ボディやフレーム、ドアやボンネットなどの大きな板状の部品だけでなく、細々としたパーツにもプレス加工が用いられています。
軽自動車からトラックやバスまで、大きさを問わずにプレス加工が使われている集大成的な製品だといえます。
プレス加工は自動車工業において技術開発が進められてきた歴史があるため、製造プロセスには積極的に取り入れられています。
電子機器
電子機器の外装や内部パーツにはプレス加工が頻繁に用いられています。
パソコンやスマートフォン、OA機器やデジタルカメラなどが代表例です。
コネクタや半導体などのパーツにもプレス加工が用いられていて、同じ形状の製品を再現性高く作ることで組み立てによる生産効率を上げています。
家電
家電の外装や内部パーツにもプレス部品が使用されています。
冷蔵庫、洗濯機、エアコン、電子レンジなどの量産されている家電の外装はプレス加工によって成形されているのが一般的です。
コンデンサーなどのパーツもプレス部品が多くなっています。
住宅・建築
住宅や事務所などの建物にもプレス加工で製作された部品が使用されています。
建築に用いられるアングルやプレート、フレームなどはプレス部品が主流です。
建材や配管などもプレス加工によって製造されているほか、住宅のキッチンシンクやバスタブもプレス加工によって成形されています。
家具
家具の中にはプレス加工を使用している製品があります。
スチール製の机や椅子は身近にあるプレス加工の製品です。
金属フレームのベッドや、スチールラックなどの寝具や収納家具もプレス加工で作られています。
金属と木材を組み合わせて製造されている場合にも、金属部分はプレス加工を使用しているのが一般的です。
硬貨
硬貨は最も身近にあるプレス加工品でしょう。
硬貨は種類によって使用されている金属が異なりますが、現在日本で使用されている1円玉~500円玉はすべてプレス加工で「圧穿」と呼ばれる打ち出し式の加工によって硬貨の形状を作っています。
圧縁によって縁取りして円形にした後、圧印をして模様を付けるという流れで製造されています。
アクセサリー
アクセサリーにはプレス加工がよく使用されています。
例えば金属製のネックレスやピアス、イヤリングなどの製造にはプレス加工を使用するのが一般的です。ペンダントのパーツにもプレス加工が用いられています。
手作業で作っている職人芸のアクセサリーもありますが、金属アクセサリーでは原型はプレス加工で作ることが多くなっています。
アルミ缶・ブリキ缶
アルミ缶やブリキ缶は、DI成形と呼ばれる手法で生産されています。
プレス加工の一種である絞り加工によってカップ状に成型し、飲料やスプレーなどの缶に用いられています。
自動販売機やコンビニなどでも簡単に買える身近なプレス加工品です。
まとめ
プレス加工は家電や家具などの大きな製品だけでなく、硬貨やアルミ缶などの製造にも用いられています。
プレス加工は金型を使用して板材の加工をする技術で、同じ形状の製品を量産するときによく活用されているのが特徴です。
自動車などの部品だけでなく、最終製品でもプレス加工が活用されています。
プレス加工は、私たちの生活に密接に関わりのある技術なのです。