曲げ加工の種類を詳しく解説！ベンダー加工とプレス加工の違いは？
曲げ加工にはさまざまな種類があります。
加工方法の違いだけでなく、金属材料を曲げて製品化するときの形状にも多様性があるからです。
この記事では曲げ加工でよく用いられているベンダー加工とプレス加工の違いを含めて、曲げ加工の種類を紹介します。
曲げ加工はベンダー加工とプレス加工の2種類
金属素材の曲げ加工では、ベンダー加工とプレス加工が用いられています。
曲げ加工の際には、どちらの加工方法を選ぶかによってできることが異なるので違いを確認しておきましょう。
ベンダー加工とは
ベンダー加工とは、ベンダーブレーキを使用して金属材料を曲げる加工方法です。
曲げ成型機を使用し、金型に合わせて加工します。
ベンダー加工は、複雑な曲げにも対応できる加工方法です。
プレス加工とは
プレス加工とは、プレス機を使用してプレスブレーキで金属材料を変形させる加工方法です。
機械制御によって圧力をコントロールし、金属素材に圧力をかけて曲げていきます。
プレス加工は、金型に合わせて加工するのが特徴です。
精密設計をすることで、再現性の高い製品を作り出すことができる加工方法となっています。
形状による曲げ加工の種類
曲げ加工は製品の形状によって種類分けされています。
ここでは形状に基づく代表的な曲げ加工の種類を紹介します。
V曲げ
V曲げは金属板をV字に成形する曲げ加工です。
V字の形状には角度や深さなどのさまざまなパラメーターがあります。
適切な金型を製作し、金属板を挟みこむようにして加工することで正確なV曲げが可能です。
ボトミングやコイニング、パーシャルベンディングといった方法が用いられています。
L曲げ
L曲げは金属板をL字に成形する曲げ加工です。
金属板の一部を台に乗せて残りの部分をプレスしたり、折り曲げない部分を固定してベンダー加工（押さえ曲げ）などによってL曲げができます。
L曲げは直角に曲げたいときに使用する曲げ加工で、精密な制御をしやすい方法です。
U曲げ
U曲げは金属板をU字に曲がった形に仕上げる曲げ加工です。
U曲げは逆押さえとパンチの組み合わせによって加工します。
金属板の両端を金型で支えておき、上からパンチ、下からパッドでの支えによって成形する方法です。
Z曲げ
Z曲げは曲げ戻しとも呼ばれている方法で、Z字に仕上げる曲げ加工です。
Z曲げではL曲げをした後に、もう一度L曲げをすることで成形できます。
L曲げとV曲げを組み合わせるといった変則加工も可能です。
また、Z字の金型を製作しておき、プレス加工でまとめて2つの加工をするといったこともできます。
R曲げ
R曲げは、V曲げの角になっている部分を丸く仕上げる方法です。
パンチの先端を丸くしておくことでＲ曲げができます。
パンチと金型の両方の曲率を調整することが精度の高いＲ曲げ加工をするポイントです。
ハット曲げ
ハット曲げは、帽子のような形状に金属板を変形させる曲げ加工です。
ハット曲げ加工では、金型を適切に設計することによって1回のプレス加工で済みます。
厳密にはＵ曲げを通してハット曲げをする流れになりますが、パンチの数は1回で済ませることが可能なので、4か所の曲げを同時に行える効率的な方法になります。
Ｃ曲げ
Ｃ曲げはハット曲げの両端を外側ではなく、内側に曲がるよう加工する方法です。
4か所の曲げ加工が必要になりますが、左右対称なC曲げであればU曲げをした後に先端部分を内側に曲げるという2段階で加工できます。
ヘミング曲げ
ヘミング曲げは、金属板を折り返す曲げ加工です。
180度の折り返しによって金属板の末端の強度を上げられます。
折り曲げた板同士の間に空間を残して厚みを出すオープンヘミングや、ぴったりと密着させるタイトヘミングなどの種類があります。
O曲げ
O曲げは円筒曲げとも呼ばれ、金属板を360度にわたって均一に曲げていくことで円筒状にする曲げ加工です。
金型だけでなくパンチも丸く精密設計することが必要になります。
パンチをしてＵ字に仕上げた後、さらにＵ字の先端が閉じるように金型を当てることで仕上げる高度な曲げ加工です。
送り曲げ
送り曲げは金型を使用せずに、ロールを使用して曲げる曲げ加工です。
3本のロールを使用して適切な曲率で金属板を曲げられます。
送り曲げはロール曲げとも呼ばれ、複数のロールを用いて複雑な形状の成形をすることも可能です。
まとめ
曲げ加工は、ベンダー加工またはプレス加工で行なわれています。
それぞれの特性を生かして、さまざまな種類の形状の製品を精密に作り上げています。
曲げ加工の種類は幅が広く、自由な形に成形できるほど技術が確立されているのが現状です。
金属板の加工を検討の際には曲げ加工に強い弊社をぜひご検討ください。