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金属の融点とは?代表的な金属の融点と加工性との関係を解説

業務乾燥機用部材_テーパー管

融点は、金属の特徴を示す物理量の一つです。

融点は個体が溶ける性質として知られていますが、金属の融点はどのような性質のある指標なのでしょうか。

この記事では金属の融点の特徴や代表例、金属の加工性との関係を紹介します。

金属の融点とは?

金属の融点とは、固体の状態の金属が液体になる温度のことを指します。

融点は金属に限らず、様々な物質に存在する物理量です。

例えば、氷が解けて水になる温度は0℃ですが、これが氷の融点に相当します。

融点は圧力の影響も受けますが、一般的な金属加工では常圧で行うため、常圧での融点を基に金属の特性を比較します。

凝固点との違い

凝固点は、融点と基本的に同じです。

金属などの物質が融解する温度という意味合いで、融点という言葉が用いられています。

逆に液体が固体になるときには、固まる現象が見られるので凝固点と呼ぶ場合があります。

沸点との違い

沸点とは、液体が気体になる温度を指します。

水の沸点は、沸騰して水蒸気になる温度である100℃です。

金属も高温加熱すれば、液体から気体になります。

融点と凝固点の関係のように、気体が液体になるときの温度を凝集点と表現する場合があります。

単体の金属と合金の融点の違い

金属の融点には、単体の金属と合金で特徴に違いがあります。

単体の金属の場合、融点は一定であり、加熱して溶融している間は温度が一定に保たれます。

しかし、合金の場合は融点が一定にはなりません。

合金を溶融している間、温度は上昇し続けます。

このような混合物の場合、融点だけでなく沸点も一定にはなりません。

代表的な金属の融点

代表的な金属の融点を以下の表にまとめました。

金属の種類融点
白金1769℃
チタン1666℃
1536℃
1085℃
1064℃
962℃
アルミニウム660℃
亜鉛420℃
232℃
リチウム181℃
SUS3041400~1450℃
SUS3161370~1400℃
SUS400約1580℃
S45C約1545℃

金属の融点と加工性の関係

次に、金属の融点と加工性の関係を見てみましょう。

融点が高い金属は加工熱による影響を受けにくい

金属の融点が高いと、加工熱によって溶融するトラブルが起こりにくくなります。

せん断加工や曲げ加工などで発生する加工熱は、加工部分の熱膨張を引き起こすだけでなく、高温になると融点を超えて溶融する可能性があります。

融点が高い金属は、加工熱の影響を受けにくいことから加工しやすいとされていますが、熱膨張率や熱伝導率の影響もあることには注意が必要です。

融点が低い金属は溶融のコストが低い

金属を溶融して加工する場合、融点が低い金属の方がコストを抑えられます。

融点が高い金属の加工には、高性能な溶鉱炉が必要です。

しかし、融点が低ければ溶融にかかる温度が低く済むため、必要なエネルギーが少なくなります。

融点が高くても低くても溶接加工は難しい

金属の溶接加工をする場合も、融点が重要になります。

溶接加工で用いる2つの金属が、同じ場合と違う場合で状況は異なりますが、一般的に融点が適切な範囲に入っていないと溶接加工が難しくなります。

例えば融点が低くて熱伝導率が高いアルミニウムは、熱のコントロールが難しい金属です。

ステンレスのように融点が高い金属との溶接でステンレス部材を加熱し溶接しようとすると、アルミニウムが溶け落ちて溶接に失敗します。

溶接加工をするときには、2つの部材の融点が近い方が精度の高い加工ができます。

融点と展延性には直接的な関係はない

金属を融点まで加熱すると固体が液体になるイメージがあるため、融点が展延性に影響するのではないかと思われるかもしれません。

展延性:素材が壊れずに変形する限界のこと

しかし、実際には融点と展延性は直接的な関係はありません。

展延性が高い金属には、白金、金、銀、銅、鉛、アルミニウムなどがあります。

一方で、鉄、ステンレス、チタンなどは展延性が低い金属です。

展性と延性も異なる物理量で相関性がありませんが、高融点の白金でも延性が高く、低融点のアルミニウムでも展延性があります。

融点は、溶融する温度の独立した物理量といえるでしょう。

融点の異なる金属の加工事例

まとめ

金属の融点は、熱を加えたときに固体の金属が溶けて液体になる温度です。

金属加工をする際には、素材別に加工温度や加工熱の影響を考慮しなければなりません。

金属素材は種類によって融点が異なり、白金などの混合物は融解中に温度が変化する性質もあります。

素材の特性を理解することは、精密な加工を行うために欠かせません。

弊社では、素材の融点を考慮して精度の高い曲げ加工を行っています。

複数の金属素材をお考えのときにも柔軟に対応可能ですので、ぜひお気軽にご相談ください。