金属材料とは?代表的な種類と特徴・加工しやすさを解説
金属材料とは、金属を素材としていて機械や部品などの原料に使用されている材料です。
金属材料にはさまざまな種類があり、特徴を生かして使い分けられています。
この記事では、金属材料の種類と加工しやすさの特性について紹介していこうと思います。
金属材料とは
金属材料とは、鉄やアルミニウムなどの金属を主成分としている材料です。
金属材料は切削加工や曲げ加工、プレス加工などによって形状を変形させる加工処理をして目的に合わせて適用します。
金属の特性によって加工方法に向き不向きがあります。
金属の5つの特性
金属には以下のように5つの重要な特性があります。
導電性と熱伝導性
導電性(どうでんせい)は電気を通すこと、熱伝導性(ねつでんどうせい)は熱の伝えやすさを持つ性質です。
溶融性
溶融性(ようゆうせい)は熱によって溶ける性質です。
展延性
展延性(てんえんせい)は壊れずに柔軟に変形する性質です。
強度
強度(きょうど)は壊れやすさや壊れにくさ、変形しにくさといった強さを表す性質です。
光沢
光沢(こうたく)は光の反射などによって光る性質のことです。
これらの特性から加工のバランスを考えて、用途に応じた金属材料を選定することが必要になります。
金属材料の種類
金属材料は、鉄鋼と非鉄金属の2つに分類されます。
鉄鋼は、鉄を主成分としている合金です。
鉄よりも強度を高めたり、加工しやすくしたりしています。
非鉄金属は、鉄を主成分としていない金属を指します。
貴金属やレアメタルと呼ばれる金属材料も非鉄金属に該当します。
鉄鋼の種類
鉄鋼には鉄以外に含まれている素材の種類によって、大きく4種類に分類できます。
炭素鋼
炭素鋼は鉄と炭素の合金で、家電や建築素材、工具などに汎用されている金属材料です。
炭素の含有量によってSPC材、SS材、S_C材、SK材といった種類があります。
熱による加工性に優れているので使いやすい材料です。
合金鋼
合金鋼は、炭素鋼に他の種類の金属を加えて合金にした金属材料です。
ステンレス鋼やクロムモリブデン鋼がよく用いられています。
合金鋼は合金に使用する金属の種類によって性質を変えられるため、目的に応じた特性を持つ金属材料にすることが可能です。
ステンレス鋼は炭素鋼とクロムとニッケルの合金で、SUSと略されます。
錆びにくくて硬度が高く、汎用性がある金属材料として身の回りの金属製品に広く用いられています。
鋳鉄
鋳鉄は型に流して成形する鋳造による加工に適している金属材料です。
炭素含有量が多く融点が低いため、鋳物の製作において加工性が高い材料になっています。
白鋳鉄やダクタイル鋳鉄などの種類があり、それぞれの特性を生かした製品の製造に利用されています。
特殊鋼
特殊鋼は、鉄に炭素以外の金属を加えて合金にした素材です。
特殊鋼も合金鋼と同様に金属の組成によって性質が変わるため、目的や用途に応じた適切な配合をします。
特殊鋼は、通常の鋼に比べて優れた特性を持つ素材として、自動車のエンジン部品やシャフトのように高い耐久性や厳しい性能要求があるときの素材として選ばれています。
非鉄金属の種類
非鉄金属は鉄以外の金属またはその合金です。
非鉄金属には種類が多いので、代表的な金属材料の特徴を紹介します。
アルミニウム
アルミニウムは軽量で硬度が低く、加工性が高い非鉄金属材料の代表例です。
アルミ缶やフライパンなど、さまざまな用途で用いられている汎用性の高い金属材料です。
アルミニウム合金であるジェラルミンも、丈夫な金属材料として航空機に用いられています。
銅
銅は青銅や黄銅(真鍮)などの合金としても使用されることが多い、汎用性のある金属材料です。
加工しやすくて錆びにくい性質があり、日用品や硬貨に用いられています。
銅は加工性が高いことから古代から使用されてきた金属材料です。
チタン
チタンは軽量で硬度が高く、錆びにくい性質がある金属材料です。
厳しい環境下でも安定性を持つのがチタンの魅力で、自動車や航空機などの部品に使用されています。
また、生体親和性もあることから医療用途でも用いられています。
マグネシウム
マグネシウムは、軽量ながら剛性も持ち合わせていることが特徴の金属材料です。
ノートパソコンなどの持ち運びをする機械類の製造によく用いられています。
燃えやすさや錆びやすさなどの難点もありますが、軽さのメリットを生かせる場面ではよく用いられています。
金属材料の種類と加工しやすさ
金属材料は、種類によって加工しやすさに違いがあります。
ここでは金属材料の加工しやすさを、快削材と難削材に分けて紹介します。
加工しやすい金属材料
切削加工をしやすい金属材料は快削材と呼ばれます。
熱伝導率が高くて熱加工をしやすく、硬度が適度で展延性に優れていて、加工中に発火などの事故が起こるリスクが低い金属です。
代表的な快削材には以下のような金属材料があります。
・炭素鋼
・アルミニウム
・銅
加工しづらい金属材料
加工をしづらい金属材料は難削材と呼びます。
硬度が高い、熱伝導率が低くて熱加工をしづらい、加工時に火災リスクがあるといった性質を持つ金属材料が主に難削材に該当します。
以下のような金属材料が難削材の代表例です。
・ステンレス鋼
・チタン
・マグネシウム
金属材料の加工事例
まとめ
金属材料は、強度や硬度、熱伝導性や導電性、溶融性などの金属に共通する性質を持ち、加工して使用する材料です。
金属材料は、金属の種類と合金によってさまざまな特性を生み出すことができます。
金属材料の加工は、種類によっては高度な技術が必要になります。
森井鉄工所では、硬い材料や長尺の材料も加工できる高度な技術を有しており、加工しづらい金属材料の実績も豊富です。
加工に関するお悩みがあれば、ぜひお問い合わせください。