角丸管とは?用途と精密設計や曲げ加工技術が必要な理由を解説
角丸管とは角型と丸型を組み合わせたパイプのことです。
配管では角丸管がよく用いられていて、高い需要があります。
角丸管は精密に設計した上で、高度な曲げ加工技術を駆使して作り上げることが必要です。
この記事では角丸管の特徴や用途と、製造における設計・技術の重要性を紹介します。
角丸管とは
角丸管とは片側が丸型、反対側が角型になっているパイプです。
丸型パイプでは両側が丸型、角型パイプでは両側が角型になっています。
角丸管の場合には両端の形状が異なっていて、丸型パイプと角型パイプのジョイントとして使用されるのが一般的です。
パイプだけでなく、他の金属管についても角型と丸型を接続するために角丸管が用いられています。
角丸管の必要性
角丸管は異なるタイプの管を接続するジョイントとして不可欠なものです。
一般的には鋼管は丸型、ダクトは角型のパイプで作られています。
ダクトには丸ダクトもありますが、逆に角ダクトと丸ダクトを接続しなければならない場合もあります。
丸パイプと角パイプが混在している状況があるので、両者を適切につなぐコネクターとしての角丸管が必要になっています。
そのため、角丸管の加工ではさまざまな現場で丸管と角管を接続できるように部品を作り上げることが求められます。
角丸管の主要な用途
角丸管は、気体や液体の流路として用いられる大型パイプのジョイントとしてよく用いられています。
空調ダクトの接続、ダムの水圧鉄管、ガス配管などが代表例です。
同じ施設内で統一的な設計をしているときには、角型または丸型のみで対応できる場合もあります。
しかし、増設を繰り返している場合や、複数の施設にまたがって配管をしている場合は角型と丸型が混在しがちです。
角丸管は、このように丸型と角型のパイプやダクトが混在するときに用いられています。
角丸管の精密設計・曲げ加工技術の必要性
角丸管は単純な角パイプや丸パイプなどに比べると、より精密な設計が必要になります。
曲げ加工技術の要求も大きいので、技術力の高い業者に加工を依頼することが重要です。
ここからは角丸管の設計や、加工の技術要求が大きい理由についてもう少し詳しく見てみましょう。
丸型と角型の両方にフィットしなければならないから
角丸管は丸型と角型の両方の管にぴったりフィットする必要があります。
丸型や角型のパイプの場合には全体を均一に仕上げることで両端をきちんと接続できます。
しかし、角丸管では丸型、角型の口の形状とサイズを考慮して管全体の設計をしなければなりません。
両端の管の径や軸が異なるときには特に精密な設計が必要となり、正確に角丸管を作り上げられるように平面図に展開できる技術が求められます。
曲げ加工の難易度が高いから
角丸管では、曲げ加工の難易度が高いので施工の経験や技術が必要とされます。
曲げ加工ではV曲げやL曲げのように比較的簡単な加工もあります。
しかし、角丸管の加工では金属板を均一に曲げれば良いわけではなく、両端の形状が適切になるように微調整をしながら加工しなければなりません。
曲げ加工のノウハウが求められるだけでなく、個別に対応可能なプレス機などの設備も欠かせません。
特殊材や板厚のある金属材料への対応が必要な場合があるから
角丸管は用途が多岐にわたるため、特殊材の使用が必要になることもあります。
ハイテン鋼材などの特殊材を加工するときや、厚い金属板を使用することもあります。
角丸管の曲げ加工では多様な技術がなければ柔軟に対応できません。
高度な技術を持っていてこそ要望に合った角丸管を的確に仕上げられます。
偏心加工への対応を求められる場合があるから
角丸管の製造において、パイプの両端で軸心をずらす偏心加工を求められることがよくあります。
角丸管は丸型から角型、あるいは角型から丸型への流路を作るジョイントとして用いられることが多いためです。
必ずしも流路の中心が接続の前後で一致するわけではないため、偏心角丸管では入口から出口に向かって連続的な軸になるように精密な設計をします。
偏心加工は設計と加工の両方の技術力が求められるため、十分な経験がないと対応が困難です。
角丸管の加工事例
角丸管 火力発電所不燃ガス経路用
排煙装置用偏芯角丸管
偏心角丸管加工
まとめ
角丸管とは角管と丸管のジョイントとして機能するパイプです。
丸型と角型のあるパイプやダクトなどの接続をする部品として重要な役割を果たしています。
角丸管は一端は丸型、もう一旦は角型として精密に作り上げる必要があるため、曲げ加工技術の要求が大きい製品です。
弊社ではさまざまな種類の角丸管の加工をしてきました。難しいと言われる角丸管でも柔軟に対応できますのでぜひご相談ください。