曲げ加工の限界はどのくらい?加工限界に影響する要素を紹介
曲げ加工は、金属の板やパイプを曲げる加工方法です。
金属素材をさまざまな形状にできるため、多くの分野で広く汎用されています。
ただし、曲げ加工で曲げられる角度には限界があります。
どのような角度にでも自在に曲げられるわけではないので、製造したい製品が曲げ加工可能かどうかを検討することが必要です。
この記事では、曲げ加工の限界に影響する要素を紹介します。
曲げ加工には加工限界がある
曲げ加工では、ダイの制限や素材の性質によって加工限界というものがあります。
ダイとは金型のことで、特に上型と下型があるときには下型の受け側になる金型を指します。
プレスによる曲げ加工では、ダイの形状に限界があるため、曲げられる範囲が制限されます。
素材の性質によっては、曲げ加工に耐えられずに限界を超えてしまう場合もあります。
曲げ加工は、加工限界を考慮した設計が必要です。
曲げ加工の限界に影響する要素
曲げ加工の限界には、さまざまな要素が関わっています。
曲げ加工によって難しい製品を作るときは、複数の要因を総合的に考慮した丁寧な設計技術と経験が必要です。
ここでは、曲げ加工の限界に影響する要素を解説します。
素材の種類と板厚
曲げ加工の限界は、素材の種類と板厚による違いがあります。
特に板厚は、物理的に曲げ加工の限界に影響する大きな要素です。
例えば、V字曲げをするときには、V字幅に対して適切な溝の大きさの範囲があります。
板厚が3mm~8mmの場合、適切なV字幅は板厚の8倍程度です。
しかし、板厚が0.5mm~2.6mmくらいの場合には、板厚の6倍程度が適切なV字幅になります。
素材の種類による影響もあるため一概には言えませんが、素材の板厚が薄いほど、V幅も狭くしなければならないので曲げ加工に限界が生まれます。
穴の有無と曲げる部分からの距離
曲げ加工では、穴の有無によって限界が変わります。
これは穴加工限界と呼ばれ、穴の大きさと種類、曲げる部分からの距離に応じて限界が生じます。
素材や板厚による影響も受けるため、個別に加工限界を考えなければなりません。
基本的には、穴によって曲げの難易度が高くなるため、曲げと穴の距離は板厚が薄いほど限界値が小さくなります。
板に穴を開ける際には、穴の位置と曲げる場所の位置関係を考えて設計することが重要です。
曲げ加工の種類
曲げ加工の種類によって、どのような限界が発生するかが異なります。
V字曲げの場合、V字幅や曲げ高さに限界があります。
段曲げをするときにも同様に段曲げの高さに限界があるため、設計に注意が必要です。
また、穴のある板金の曲げ加工では、穴から曲げる箇所の距離や、穴から端までの距離などに限界が生じます。
送り曲げ加工をする場合にはダイが不要なため、型の形状による曲げの限界はありませんが、装置によって処理できる板厚に限界があります。
曲げ加工の技術
曲げ加工の限界は、技術によってカバーできます。
V曲げのように型曲げをするときにはダイの制約がありますが、同じ素材で同じ板厚の材料を曲げるときの限界はほとんど同じです。
手作業でコツコツと曲げていく方法なら、丁寧に曲げることで通常の限界よりもしっかりと曲げられます。
理論的にいえば素材が耐えられる範囲であれば、曲げることが可能です。
同じ素材でも加工会社によって限界値が異なる場合があるのは、技術力や使用している機材などが異なるためです。
曲げ加工の技術が優れている会社に依頼すれば、より高度な曲げ加工を実施できるでしょう。
曲げ加工の設計
曲げ加工は、設計によって限界値が変わります。
例えば、穴のある素材を曲げるときには、穴の位置や形状の設計によって曲げ加工の限界を変えられます。
素材の種類を選んだり、板厚を微調整したりすることで限界値を変えることも可能です。
加工方法によって曲げられる範囲にも違いが生じますので、最終製品の形に合わせて曲げ加工を設計することが重要です。
曲げ加工の設計にはノウハウと技術が必要ですが、弊社では製品に合わせて限界が問題にならないように設計をしています。
弊社での曲げ加工の施工事例
まとめ
曲げ加工は、素材の種類や板厚、穴の位置などによって加工限界があります。
曲げ加工によって製品を製造する際には、精密な設計を行い、適切な技術を選定した加工が必要になります。
同じ素材を使用する場合でも、設計と技術によって曲げ加工で対応できる限界には違いがあります。
弊社では、曲げ加工を専門として培ってきたノウハウがあり、製品のデザインに合わせて適切な曲げ加工ができるのが強みです。
曲げ加工による製造をお考えの際には、ぜひ弊社の技術をご活用ください。