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厚板の曲げ加工で断られる理由とは?「端(ハナ)の長さ」が設計の成否を決めるポイントを解説

厚板の曲げ加工で重要な鼻の長さを解説するイメージ

設備の大型化や強度計算の高度化に伴い、SS400などの厚板を使用した曲げ加工のご相談が増えています。

一方で、

  • 「この図面で曲げられますか?」
  • 「他社では加工できないと言われた」
  • 「なぜ曲げられないのか理由が分からない」

というお問い合わせも少なくありません。

実際に図面を確認すると、その原因の多くは「端の長さ」にあります。

設計者の方でも、この条件をご存じないまま図面を作成されることは珍しくありません。

この記事では、厚板曲げ加工で最も多い失敗原因である「端の長さ」について、図を交えながら分かりやすく解説します。

なぜ今、厚板曲げ加工の相談が増えているのか

近年、厚板曲げ加工のお問い合わせは年々増えています。

その背景には、

  • 設備の大型化
  • 建築物の大型化
  • 強度計算の厳格化
  • 軽量化設計

があります。以前であれば補強材で強度を確保していた構造も、現在では板厚を厚くすることで必要な強度を確保する設計が増えています。

しかし一方で、厚板を曲げられる大型プレスブレーキを保有する会社は限られており、「対応できる加工会社が見つからない」というご相談も増えています。

森井鉄工所にも、相見積もりや他社で断られた案件のご相談をいただく機会が増えています。

実際に森井鉄工所では、板厚25mmクラスのL字・コの字曲げや大型部品の曲げ加工など、厚板の実績も数多くあります。実際の加工事例をご覧いただくと、対応できる製品や加工サイズのイメージがより分かりやすくなります。

厚板曲げ加工で重要な「端」と「フランジ」とは?

L字曲げでは、短い辺を「端」、長い辺を「フランジ」と呼びます。

一見すると単純な形状ですが、厚板曲げ加工ではこの端の寸法が加工できるかどうかを左右する重要なポイントになります。

L字曲げ板における端・フランジ・板厚の名称図
L字曲げでは短辺を「端」、長辺を「フランジ」と呼びます。

L字曲げ加工について、実際の製品はこちらでご紹介しています。

厚板曲げ加工で断られる最大の理由は「端の長さ」

厚板加工で最も多いご相談が、「この図面では加工できますか?」という内容です。

図面を見ると、多くのケースで原因となっているのが「端の長さ」です。

森井鉄工所では、厚板曲げ加工の可否を判断する際、端の長さは最低でも板厚の4倍以上を一つの目安として判断しています。

例えば、

  • 板厚10mmなら40mm以上
  • 板厚16mmなら64mm以上

が目安になります。これは、厚板曲げ加工で一般的に使用される金型(V幅)の構造によるものです。

一般的な条件ではV幅が板厚の約8倍となるため、中心から片側までは板厚の約4倍になります。端がそれより短いと、金型に材料が十分に載らず、物理的に曲げ加工ができません。

厚板曲げ加工における端の長さとV幅の関係
厚板曲げ加工では、端が短すぎると金型に材料が載らず加工できません。

今回はSS400を前提に解説しています。

耐摩耗鋼板(ABREX・HARDOX)は最小曲げRの条件が加わるため、必要な端寸法も変わります。

実際に加工できる図面・加工できない図面の違い

例えば板厚16mmの場合、最低でも約64mm以上の端寸法が必要になります。端50mmでは加工できませんが、70mmまで変更すれば加工可能になります。図面上ではわずかな違いでも、加工できる・できないを大きく左右します。

厚板16mmにおける加工可能・加工不可の比較図
板厚16mmでは、端50mmでは加工不可、70mmでは加工可能となる一例です。

加工できない場合も「どうすれば加工できるか」をご提案します

「この図面では加工できません。」この言葉を聞くと、製作自体を諦めてしまう方も少なくありません。しかし実際には、図面を少し見直すだけで加工できるケースも多くあります。森井鉄工所では、まず現在の図面で加工可能かどうかを正確に判断します。

もし加工できない場合でも、「端を70mmにすれば加工できます。」というように、加工できる条件まで含めてご提案しています。無理に「できます」とお答えすることはありません。

できないものをできると言ってしまうと、お客様にご迷惑をお掛けする可能性があるからです。

だからこそ、まずは正確に判断し、その上で実現できる方法をご提案しています。

森井鉄工所では図面を見た段階で加工可否を判断します

設計者の方が、加工機の金型や曲げ条件まで考慮して図面を作成することは容易ではありません。そのため、図面上では成立していても、実際には加工できないケースがあります。

森井鉄工所では、長年の厚板曲げ加工の経験から、

  • 加工できるか
  • 修正が必要か
  • どのように変更すれば加工できるか

を図面を見た段階で判断し、ご提案しています。

厚板の曲げ加工でお困りの際は、設計段階でもお気軽にご相談ください。

板厚ごとの最低端寸法(目安)

板厚最低端寸法(目安)
6mm24mm以上
9mm36mm以上
12mm48mm以上
16mm64mm以上
25mm100mm以上

※SS400を前提とした一般的な目安です。材質や金型条件によって変わる場合がありますので、最終的には図面をご相談ください。

厚板曲げ加工でお困りの方は森井鉄工所へご相談ください

厚板曲げ加工では、設備だけでなく「加工できる図面かどうか」を見極める知識と経験が重要です。

森井鉄工所では、他社で断られた案件や、加工可否が分からない図面についても、一件一件丁寧に確認し、加工可能な方法をご提案しています。

「この寸法で曲げられるだろうか」
「他社で断られてしまった」

そのようなお悩みがありましたら、ぜひお気軽にご相談ください。