曲げ加工のバネ戻り対策|SS400・耐摩耗鋼板で精度が出ない原因と解決方法

「図面通りに曲げたはずなのに、Rが合わない」
「耐摩耗鋼板で精度が出ず、何度もやり直しになっている」
「他社に依頼したが、バネ戻りが大きく対応できないと言われた」
このようなお悩みはありませんか?
その原因の多くは、曲げ加工における「バネ戻り(スプリングバック)」にあります。
本記事では、バネ戻りの仕組みから材質ごとの違い、そして森井鉄工所の具体的な対策まで、現場視点で解説します。
曲げ加工で精度が出ない原因は「バネ戻り」
鉄板曲げにおいて避けて通れない現象が「バネ戻り(スプリングバック)」です。
これは、プレス機で鉄板を曲げた後、圧力を抜いた瞬間に素材の弾性によって元の形状に戻ろうとする現象を指します。
このバネ戻りを正しく理解していないと、
「プレス直後は90度だったのに、仕上がりは角度が緩い」
といった不具合が発生します。
バネ戻りが大きくなる3つの要因
① 材質(硬さ)
バネ戻りの大きさは、板厚よりも素材の硬さに大きく依存します。
- SS400 → 比較的少ない
- ステンレス → やや大きい
- 耐摩耗鋼板(HARDOX・ABREX) → 非常に大きい
特に耐摩耗鋼板は反発力が強く、通常の設備では精度が出ないケースも少なくありません。
② 板厚
板厚が厚くなるほど加圧力が必要となり、結果としてバネ戻りの影響も大きくなります。
③ 曲げR(曲げ半径)
近年は、単なる角度だけでなく「R精度」が求められるケースが増えています。
バネ戻りを考慮せずに押し直しを繰り返すと、Rが大きくなり、組付け不良の原因となります。
なぜバネ戻りで精度が狂うのか
バネ戻りを理解していない現場では、
-プレスで90度になった時点で加工を止めてしまう
-力を抜いた後の角度を再測定しない
といった対応が見られます。
その結果、実際の仕上がり角度が緩くなり、設計値とズレが生じます。
森井鉄工所では、「力を抜いた後の状態が製品の完成形である」という前提で加工を行っています。
森井鉄工所のバネ戻り対策
バネ戻り自体を完全に無くすことは物理的に不可能です。
しかし、森井鉄工所では以下の取り組みにより高精度な曲げ加工を実現しています。
① 自社製フルフレームプレス機による加圧力
硬い素材のバネ戻りを抑えるには、十分な加圧力が不可欠です。
一般的なプレス機(300t〜500tクラス)では押しきれない反発力に対して、
森井鉄工所では1200tの自社製フルフレームプレス機を使用しています。
これにより、耐摩耗鋼板のような高硬度材でも安定した加工が可能です。

② 押し直し時のセンター・角度の精密調整
1回で角度が出ない場合、押し直しを行いますが、
この際にセンターや角度がズレると、余計な箇所に力がかかりRが崩れます。
森井鉄工所では、
「まっすぐ押す」ことを徹底し、ズレを最小限に抑えています。
③ ガバリ(合わせ型)による精度検証
精度を担保するため、専用の「ガバリ」を使用して確認を行います。
また、鉄板が冷める前の段階で角度を確認し、戻り量を見越した調整を実施しています。
さらに、過去の加工データと実測値の蓄積により、材質ごとのバネ戻り量を予測しながら仕上げています。

加工事例|ABREX400の曲げ加工
よくあるご相談
- バネ戻りが大きく、精度が出ない
- 耐摩耗鋼板で加工を断られた
- R精度がシビアで組付けできない
- 図面通りに加工しても寸法が合わない
曲げ加工のご相談は森井鉄工所へ
図面段階でのご相談も可能です。
「この材質でこのRは出るのか?」といった検討段階から対応しております。
- バネ戻りが大きく精度が出ない
- 耐摩耗鋼板で加工を断られた
- R精度がシビアな案件で困っている
このような案件は、森井鉄工所が解決します。
他社で「難しい」と断られた案件こそ、ぜひご相談ください。